Version: 2022.3
言語: 日本語
シェーダーアセット
非同期シェーダーコンパイル

シェーダーのコンパイル

概要

プロジェクトをビルドするたびに、Unity エディターはビルドに必要なすべてのシェーダーをコンパイルします。必要なグラフィックス API ごとに、必要なシェーダーバリアントをすべてコンパイルします。

Unity エディターでは、すべてを先行してコンパイルすることはありません。すべてのグラフィックス API に対応するすべてのバリアントをコンパイルするには、非常に長い時間がかかるからです。

その代わりに、Unity エディターは以下のようにしています。

  • シェーダーアセットをインポートする場合、一部の最小限の処理 (サーフェスシェーダーの生成など) を行います。
  • シェーダーバリアントを表示する必要がある場合、Library/ShaderCache フォルダーを確認します。
  • 以前にコンパイルされたシェーダーバリアントが同一のソースコードを使用していることを見つけた場合、それを使用します。
  • 一致するものが見つからなかった場合。必要なシェーダーバリアントをコンパイルして、それをキャッシュに保存します。

シェーダーのコンパイルは、UnityShaderCompiler というプロセスを使って行われます。複数の UnityShaderCompiler プロセスを開始することができます (通常、マシンの CPU コアごとに 1 つ)。そのため、プレイヤーのビルド時にシェーダーのコンパイルを並行して行うことができます。エディターがシェーダーをコンパイルしていない間はコンパイラー処理は行われず、コンピューターのリソースを消費しません。

頻繁に変更されるシェーダーが沢山ある場合は、シェーダーキャッシュフォルダーが非常に大きくなる可能性もあります。このフォルダーの削除は安全で、Unity がシェーダーバリアントを再コンパイルするだけです。

プレイヤーのビルド時には、すべての “まだコンパイルされていない” シェーダーバリアントがコンパイルされるため、たまたまエディターがそれらを使用しなかった場合でもゲームデータに含まれます。

さまざまなシェーダーコンパイラー

異なるプラットフォームは、シェーダープログラムのコンパイルに異なるシェーダーコンパイラーを使用します。以下はその例です。

  • DirectX を使用するプラットフォームは、Microsoft の FXC HLSL コンパイラーを使用します。
  • OpenGL (Core & ES) を使用するプラットフォームは、Microsoft の FXC HLSL コンパイラーを使用し、その後、HLSLcc を使用して、バイトコードを GLSL への変換を行います。
  • Metal を使用するプラットフォームは、Microsoft の FXC HLSL コンパイラーを使用し、その後、HLSLcc を使用して、バイトコードを Metal に変換しています。
  • Vulkan を使用するプラットフォームは、Microsoft の FXC HLSL コンパイラーを使用し、その後、HLSLcc を使用して、バイトコードを SPIR-V に変換します。
  • コンソールプラットフォームなどその他のプラットフォームでは、それぞれのコンパイラーを使用します。
  • サーフェスシェーダーステップ は、コード生成解析ステップのために HLSL と MojoShader を使用します。

pragma ディレクティブ を使用して、さまざまなシェーダーコンパイラーの設定を行うことができます。

キャッシングシェーダープリプロセッサー

シェーダーのコンパイルにはいくつかのステップがあります。最初のステップの 1 つは前処理です。このステップでは、プリプロセッサー と呼ばれるプログラムが、コンパイラーのシェーダーソースコードを準備します。

以前のバージョンの Unity では、エディターは現在のプラットフォームのシェーダーコンパイラーが提供するプリプロセッサーを使用していました。現在では、Unity は独自のプリプロセッサ (キャッシングシェーダープリプロセッサー) を使用しています。

キャッシングシェーダープリプロセッサーは、シェーダーのインポートとコンパイルを高速化するために最適化されています。これは、中間的な前処理データをキャッシュすることで機能します。そのため、エディターがそのファイルを解析する必要があるのは、インクルードファイルのコンテンツが変更されたときだけです。これにより、同じシェーダーの複数のバリアントをより効率的にコンパイルすることができます。キャッシングシェーダープリプロセッサーを有効にする際に最も著しい効果を発揮するのは、プロジェクト内のシェーダーが共通のインクルードファイルを大量に使用している場合です。

キャッシングシェーダープリプロセッサーと従来の動作の違いについての詳細は、Unity フォーラムの New shader preprocessor を参照してください。

アセットバンドルとシェーダー

AssetBundle (アセットバンドル) を使用する場合、以下の例のように 1 つのシェーダーを 2 つ以上のオブジェクトで参照すると、重複したシェーダーがコンパイルされる可能性があります。

  • アセットバンドル内のマテリアルとビルドされたシーン内のマテリアルが、同じシェーダーを参照する。
  • 複数のアセットバンドルに、アセットバンドル外の同じシェーダーを参照するマテリアルが含まれている。

これは、シェーダーが使用するメモリとストレージ容量を増加させ、ドローコールのバッチ処理 を壊す可能性があります。

これを避けるには、以下のような方法があります。

  • 最初にすべてのシェーダーを含むアセットバンドルをロードし、次にシェーダーを参照する AssetBundle アセットをロードしてインスタンス化します。詳細は アセットバンドルの依存性 を参照してください。
  • アセットバンドルを構造化して、重複を最小限に抑えます。詳しくは、アセットの重複 を参照してください。

アセットバンドルにマテリアルと シェーダーバリアントコレクション を加えて、シェーダーバリアントを指定できます。

1 つのアセットバンドルを作成した場合、アセットバンドルを部分的にアンロードすることができないため、一部のシェーダーが不要になってもメモリに残る可能性があります。これを避けるには、一緒に使用するシェーダーをグループごとに別々のアセットバンドルを作成します。例えば、“森” のアセットバンドルと “砂漠” のアセットバンドルのように。ロードされたアセットバンドルの管理、または Addressable を使用する場合は Addressable システムのメモリ管理 を参照してください。

Asset Bundle Browser を使用すると、アセットバンドル内のどのアセットが他のアセットに依存しているかを確認し、重複しているアセットを調べることができます。

ビルド時のストリッピング

ゲームのビルド中、Unity は内部シェーダーバリアントの一部がゲームで使用されていないことを検出し、ビルドデータから削除 (“ストリップ”) します。詳しくは、シェーダーバリアント を参照してください。

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