XR Origin は、XR シーンのトラッキング空間の中心として機能します。
XR Origin の設定は、一式のゲームオブジェクトとコンポーネントで、これらが連携機能して XR トラッキングサブシステムからのデータをワールド空間に変換します。例えば、Main Camera ゲームオブジェクトの TrackedPoseDriver コンポーネントは、ユーザーのヘッドセットやハンドヘルドデバイスのトラッキングデータを使用して、XR Origin を基準に相対的にカメラを動かします。XR Origin の詳細は、XR Origin を参照してください。
XR デバイスは、初期化時に XR システムによって選択された点を基準に相対的に、現実世界の単位でトラッキングデータを提供します。Unity はシーン内の XR Origin ゲームオブジェクトをこの初期点に合わせます。
ユーザーのヘッドセットやハンドヘルドデバイスなどの、トラッキングされたエンティティを表すゲームオブジェクトは、シーン階層内では XR Origin ゲームオブジェクトの子です。つまり、トラッキングの更新に基づく位置や角度の変化は、XR Origin を基準とした相対的なものです。こうした子ゲームオブジェクトは、ユーザーが現実世界で動くと、シーン内で XR Origin に対して相対的に動きます。XR Origin はそれ自体で勝手に動くことはありません。ただし、スクリプトを使って XR Origin を動かして、ユーザーがテレポートしたりコントローラー入力で移動したりできるようにすることは可能です。
Unity の XR パッケージは、様々なタイプの XR アプリケーションに合わせた、様々な XR Origin 設定を提供します。GameObject > XR メニューを使用して、現在のシーンに XR Origin を追加できます。利用可能なオプションは、プロジェクトに追加したパッケージによって異なります。
XR のタイプ | リグ | メニューオプション | パッケージ | ノート |
---|---|---|---|---|
VR、MR | XR Rig | Convert Main Camera To XR Rig | XR Legacy Input Helpers (installed with the XR Plug-in Management package) | 基本的な Unity シーンの標準カメラを置き換えます。メインカメラの置き換えに使用されるロジックは、複雑なシーンで失敗する可能性があります。XR Interaction Tools パッケージをインストールすると、Unity はこのオプションを削除します。このメニューオプションで作成される XR Rig ゲームオブジェクトは、XR Origin とは若干異なり、XR Origin と比べて、他の Unity XR 機能との互換性が低くなる可能性があります。 |
VR、MR | XR Origin | XR Origin | XR Core Utils (XR Interaction Toolkit パッケージと一緒にインストールされます。) | コントローラー用のゲームオブジェクトは含まれません。 |
VR、MR | XR Origin (VR) | XR Origin (VR) | XR Interaction Toolkit | アクションベースの入力用に設定されたコントローラーゲームオブジェクトが含まれます。 |
VR、MR | XR Origin (VR) | Device-based > XR Origin (VR) | XR Interaction Toolkit | デバイスベースの入力用に設定されたコントローラーゲームオブジェクトが含まれます。 |
AR、MR | XR Origin (AR) | XR Origin (AR) | AR Foundation | ハンドヘルド AR アプリケーションのトラッキングの原点として機能します。コントローラーゲームオブジェクトが含まれます。このオプションは、XR Interaction Toolkit がインストールされている場合に利用可能です。 |
AR | XR Origin (Mobile AR) | XR Origin (Mobile AR) | AR Foundation | ハンドヘルド AR アプリケーションのトラッキングの原点として機能します。コントローラーゲームオブジェクトは含まれません。XR Interaction Toolkit がインストールされている場合、このオプションは XR Origin (AR) に置き換えられます。 |
ノート:
* Unity の XR パッケージの最新バージョンでは、XR Rig は XR Origin に置き換わっています。
* CameraOffset
コンポーネントも XROrigin
コンポーネントに置き換わり、いくつかの追加設定が提供されています。詳細は XR Origin component を参照してください。
* AR Session Origin の設定は、AR Foundation 5.0 以降 で XR Origin (Mobile) とXR Origin (AR) に置き換えられました。
* XR Origin (Mobile) と XR Origin (AR) の設定は、以前のバージョンの AR Foundation パッケージとは互換性がありません。