Version: 2017.3
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スプライトパッカー

スプライトによるグラフィックスをデザインする場合、スプライトキャラクター毎にテクスチャファイルを分けた方が作業をしやすくなります。しかし、スプライトテクスチャは空白部分が広いことも多く、そのまま並べると無駄なビデオメモリを消費する結果になります。パフォーマンスを最適化するためには、いくつかのスプライトテクスチャ画像を一緒にまとめて、アトラスと呼ばれる単一のテクスチャにパックするのが最善です。 Unity は、個々のスプライトテクスチャからアトラスを自動的に生成するユーティリティ、 Sprite Packer を提供しています。

Unity がスプライトからテクスチャアトラスの生成と処理を行うため、ユーザーは割り当てを行う必要はありません。アトラスは必要に応じて再生モードへの移行やビルド時にパックすることができるため、スプライトテクスチャがアトラスから生成されて取得できます。

ユーザーはテクスチャインポーターで Packing Tag を指定して、そのテクスチャのスプライトのパックを有効にする必要があります。

スプライトパッカーの使い方

スプライトパッカーは、デフォルトでは無効になっていますが、エディターの設定から変更することができます(メニューの Edit -> Project Settings -> Editor)。スプライトパッキングモードは Disabled から Enabled for Builds (パッキングはビルドで有効、プレイモードでは無効)、または Always Enabled (パッキングはプレイモードとビルドの両方で有効)に変更できます。

Sprite Packer window を開いたら(menu: Window -> Sprite Packer)、左上の隅にある Pack ボタンをクリックすると、テクスチャが配置されたアトラスを確認することができます。

プロジェクトパネルでスプライトを選択した場合は、アトラスでの位置を示すためにハイライトされます。実際のメッシュのアウトラインで表示され、結合したパッキングの領域を定義します。

Sprite Packer ウィンドウ上部にあるツールバーには、パックと表示のためのコントロールがいくつか有ります。Pack ボタンを押すとパック操作を開始しますが、アトラスが最後にパックされてから変更が無ければ、何も更新されません (下記の スプライトパッカーのカスタマイズ で説明していますが、カスタムパックポリシーを実装している場合は Repack ボタンが表示されます)。メニューの View AtlasPage では、どのアトラスのどのページをウインドウに表示するか、選択することができます (最大テクスチャサイズにすべてのスプライトを格納するための十分なスペースがない場合は、1 つのアトラスが複数のページに分割される場合があります)。ページ番号の横にあるドロップダウンで、アトラスの “パックポリシー” を選択できます (後述)。ツールバーの右にある 2 つのコントロールでは、ビューをズームしたり、表示するアトラスのカラーとアルファの表示を切り替えることができます。

パックポリシー

スプライトパッカーがアトラスにスプライトをどのように割り当てるかを決めるために、 パックポリシー を使用します。独自のパックポリシーを作成することも可能ですが (下記参照)、 Default Packer PolicyTight Packer PolicyTight Rotate Enabled Sprite Packer Policy オプションがすでに用意されているので、いつでも使う事ができます。これらのポリシーでは テクスチャインポーターPacking Tag プロパティーからスプライトをパックするアトラスの名前を直接選択します。したがって、同じ Packing Tag を持つスプライトは全て、同じアトラスにパックされます。その後、アトラスはソーステクスチャの設定と一致するように、テクスチャのインポート設定によりソートされます。テクスチャ圧縮設定が同じスプライトは、可能であれば、同じアトラスにまとめられます。

  • Packing Tag で “[TIGHT]” (隙間無し) が指定されていなければ、DefaultPackerPolicy は、デフォルトで矩形のパックを使用します (つまり、Packing Tag を “[TIGHT]Character” に設定すると、間隔を詰めてパックします)。
  • TightPackerPolicy は、スプライトが隙間のないメッシュを持っている場合、デフォルトでタイトパッキングを使用します。Packing Tag で “[RECT]” が指定されている場合は、矩形パックが行われます (つまり、Packing Tag を “[RECT]UI_Elements” に設定すると、強制的に矩形パックになります)。
  • TightRotateEnabledSpritePackerPolicy は、スプライトが隙間のないメッシュを持っている場合、デフォルトで Tight Packing を使用し、スプライトを回転させることができます。Packing Tag で “[RECT]” を指定すると、矩形パックが行われます (つまり、Packing Tag を “[RECT]UI_Elements” に設定すると、強制的に矩形パックになります)。

スプライトパッカーのカスタマイズ

たいていは DefaultPackerPolicy オプションで十分ですが、必要に応じて独自のカスタムパックポリシーを実装することができます。そのためには、エディタースクリプトのクラスに UnityEditor.Sprites.IPackerPolicy インターフェースを実装する必要があります。このインターフェースには次のメソッドが必要です。

  • GetVersion - パックポリシーのバージョン値を返します。ポリシースクリプトを変更するとバージョンは 1 つ上がり、バージョン管理にこのポリシーが保存されます。
  • OnGroupAtlases - ここにパックロジックを実装します。PackerJob のアトラスを定義し、指定した TextureImporter からスプライトを割り当てます。

DefaultPackerPolicy はデフォルトでは矩形パック (SpritePackingMode を参照) を使用します。これは、テクスチャ空間のエフェクトを行なったり、スプライトをレンダリングするために別のメッシュを使用したい場合に便利です。カスタムポリシーはこれをオーバーライドし、代わりに Tight Packing を使用できます。

  • Repack ボタンはカスタムポリシーが選択された場合のみ有効です。
    • OnGroupAtlases は TextureImporter のメタデータや選択している PackerPolicy のバージョンが変更されないかぎり呼び出されません。
    • カスタムポリシーで作業する際は Repack ボタンを使用してください。
  • スプライトは TightRotateEnabledSpritePackerPolicy によって自動的に回転させてパックすることができます。
    • SpritePackingRotation 型は将来の Unity バージョンのために予約されています。

その他

  • アトラスは Project\Library\AtlasCache にキャッシュされてます。
    • このフォルダーを削除して Unity を起動すると、Unity はアトラスを強制的に再パックします。フォルダーの削除をする場合は必ず Unity を閉じてから行うようにしてください。
  • アトラスキャッシュは起動時に読み込みません。
    • すべてのテクスチャは Unity が再起動した後、最初にパックする時にチェックされます。この処理はプロジェクト内のテクスチャの総数により時間がかかる場合があります。
    • 必要なアトラスだけが読み込まれます。
  • デフォルトの最大アトラスサイズは 2048x2048 です。
  • PackingTag が設定されている場合、テクスチャは圧縮されないため、スプライトパッカーは元のピクセル値を取得し、次にアトラスで圧縮を行います。

DefaultPackerPolicy

using System;
using System.Linq;
using UnityEngine;
using UnityEditor;
using System.Collections.Generic;


public class DefaultPackerPolicySample : UnityEditor.Sprites.IPackerPolicy
{
        protected class Entry
        {
            public Sprite            sprite;
        public UnityEditor.Sprites.AtlasSettings settings;
            public string            atlasName;
            public SpritePackingMode packingMode;
            public int               anisoLevel;
        }

        private const uint kDefaultPaddingPower = 3; // 基本と 2 ミップレベル向け

        public virtual int GetVersion() { return 1; }
        protected virtual string TagPrefix { get { return "[TIGHT]"; } }
        protected virtual bool AllowTightWhenTagged { get { return true; } }
        protected virtual bool AllowRotationFlipping { get { return false; } }

    public static bool IsCompressedFormat(TextureFormat fmt)
    {
        if (fmt >= TextureFormat.DXT1 && fmt <= TextureFormat.DXT5)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.DXT1Crunched && fmt <= TextureFormat.DXT5Crunched)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.PVRTC_RGB2 && fmt <= TextureFormat.PVRTC_RGBA4)
            return true;
        if (fmt == TextureFormat.ETC_RGB4)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.ATC_RGB4 && fmt <= TextureFormat.ATC_RGBA8)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.EAC_R && fmt <= TextureFormat.EAC_RG_SIGNED)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.ETC2_RGB && fmt <= TextureFormat.ETC2_RGBA8)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.ASTC_RGB_4x4 && fmt <= TextureFormat.ASTC_RGBA_12x12)
            return true;
        if (fmt >= TextureFormat.DXT1Crunched && fmt <= TextureFormat.DXT5Crunched)
            return true;
        return false;
    }

    public void OnGroupAtlases(BuildTarget target, UnityEditor.Sprites.PackerJob job, int[] textureImporterInstanceIDs)
        {
            List<Entry> entries = new List<Entry>();

            foreach (int instanceID in textureImporterInstanceIDs)
            {
                TextureImporter ti = EditorUtility.InstanceIDToObject(instanceID) as TextureImporter;

                TextureFormat desiredFormat;
                ColorSpace colorSpace;
                int compressionQuality;
                ti.ReadTextureImportInstructions(target, out desiredFormat, out colorSpace, out compressionQuality);

                TextureImporterSettings tis = new TextureImporterSettings();
                ti.ReadTextureSettings(tis);

            Sprite[] sprites =
                AssetDatabase.LoadAllAssetRepresentationsAtPath(ti.assetPath)
                    .Select(x => x as Sprite)
                    .Where(x => x != null)
                    .ToArray();
                foreach (Sprite sprite in sprites)
                {
                    Entry entry = new Entry();
                    entry.sprite = sprite;
                    entry.settings.format = desiredFormat;
                    entry.settings.colorSpace = colorSpace;
                    // Compressed Format のためだけに、後に Grouping の Compression Quality を使用します。そうでない場合は、空のままにしておきます。
                entry.settings.compressionQuality = IsCompressedFormat(desiredFormat) ? compressionQuality : 0;
                entry.settings.filterMode = Enum.IsDefined(typeof(FilterMode), ti.filterMode)
                    ? ti.filterMode
                    : FilterMode.Bilinear;
                    entry.settings.maxWidth = 2048;
                    entry.settings.maxHeight = 2048;
                    entry.settings.generateMipMaps = ti.mipmapEnabled;
                    entry.settings.enableRotation = AllowRotationFlipping;
                    if (ti.mipmapEnabled)
                        entry.settings.paddingPower = kDefaultPaddingPower;
                    else
                        entry.settings.paddingPower = (uint)EditorSettings.spritePackerPaddingPower;
                    #if ENABLE_ANDROID_ATLAS_ETC1_COMPRESSION
                        entry.settings.allowsAlphaSplitting = ti.GetAllowsAlphaSplitting ();
                    #endif //ENABLE_ANDROID_ATLAS_ETC1_COMPRESSION

                    entry.atlasName = ParseAtlasName(ti.spritePackingTag);
                    entry.packingMode = GetPackingMode(ti.spritePackingTag, tis.spriteMeshType);
                    entry.anisoLevel = ti.anisoLevel;

                    entries.Add(entry);
                }

                Resources.UnloadAsset(ti);
            }

            // 最初にスプライトをアトラスの名前に基づいてグループに分けます。
            var atlasGroups =
                from e in entries
                group e by e.atlasName;
            foreach (var atlasGroup in atlasGroups)
            {
                int page = 0;
                // それから、テクスチャ設定に基づいて、これらのグループをより小さいグループに分けます。
                var settingsGroups =
                    from t in atlasGroup
                    group t by t.settings;
                foreach (var settingsGroup in settingsGroups)
                {
                    string atlasName = atlasGroup.Key;
                    if (settingsGroups.Count() > 1)
                        atlasName += string.Format(" (Group {0})", page);

                UnityEditor.Sprites.AtlasSettings settings = settingsGroup.Key;
                    settings.anisoLevel = 1;
                    // このアトラスのすべてのエントリーで最も高い aniso level を使用します
                    if (settings.generateMipMaps)
                        foreach (Entry entry in settingsGroup)
                            if (entry.anisoLevel > settings.anisoLevel)
                                settings.anisoLevel = entry.anisoLevel;

                    job.AddAtlas(atlasName, settings);
                    foreach (Entry entry in settingsGroup)
                    {
                        job.AssignToAtlas(atlasName, entry.sprite, entry.packingMode, SpritePackingRotation.None);
                    }

                    ++page;
                }
            }
        }

        protected bool IsTagPrefixed(string packingTag)
        {
            packingTag = packingTag.Trim();
            if (packingTag.Length < TagPrefix.Length)
                return false;
            return (packingTag.Substring(0, TagPrefix.Length) == TagPrefix);
        }

        private string ParseAtlasName(string packingTag)
        {
            string name = packingTag.Trim();
            if (IsTagPrefixed(name))
                name = name.Substring(TagPrefix.Length).Trim();
            return (name.Length == 0) ? "(unnamed)" : name;
        }

        private SpritePackingMode GetPackingMode(string packingTag, SpriteMeshType meshType)
        {
            if (meshType == SpriteMeshType.Tight)
                if (IsTagPrefixed(packingTag) == AllowTightWhenTagged)
                    return SpritePackingMode.Tight;
            return SpritePackingMode.Rectangle;
        }
}

TightPackerPolicy

using System;
using System.Linq;
using UnityEngine;
using UnityEditor;
using UnityEditor.Sprites;
using System.Collections.Generic;

// パッキングタグが [RECT] を含まないかぎり、TightPackerPolicy は長方形でないスプライトを隙間なくパックします。
class TightPackerPolicySample : DefaultPackerPolicySample
{
        protected override string TagPrefix { get { return "[RECT]"; } }
        protected override bool AllowTightWhenTagged { get { return false; } }
        protected override bool AllowRotationFlipping { get { return false; } }
}

TightRotateEnabledSpritePackerPolicy

using System;
using System.Linq;
using UnityEngine;
using UnityEditor;
using UnityEditor.Sprites;
using System.Collections.Generic;

// パッキングタグが [RECT] を含まないかぎり、TightPackerPolicy は長方形でないスプライトを隙間なくパックします。
class TightRotateEnabledSpritePackerPolicySample : DefaultPackerPolicySample
{
        protected override string TagPrefix { get { return "[RECT]"; } }
        protected override bool AllowTightWhenTagged { get { return false; } }
        protected override bool AllowRotationFlipping { get { return true; } }
}

Sprite Editor: Edit Outline
Sorting Group