#pragma
ディレクティブ を使うと、シェーダーが特定の GPU 機能を必要とすることを示すことができます。ランタイムに、Unity はこの情報を使ってシェーダープログラムが使用中のハードウェアと互換性があるかどうかを判断します。
#pragma require
ディレクティブで個々の GPU 機能を指定したり、シェーダーモデル を指定したりすることができます。シェーダーモデルとは、一群の GPU 機能のことです。これは内部的には、同じ機能を持つ #pragma require
ディレクティブのようなものです。
シェーダーが必要とする GPU 機能を正しく記述することが重要です。シェーダーが要件リストに含まれていない機能を使用すると、 コンパイル時にエラーが発生したり、デバイスが実行時にシェーダーをサポートできなくなる可能性があります。
デフォルトでは、Unity はシェーダーを #pragma require derivatives
でコンパイルします。これは #pragma target 2.5
に相当します。
シェーダーが特定のシェーダーステージを定義する場合、Unity は自動的に要件リストに項目を追加します。
#pragma geometry
によって) ジオメトリステージを定義する場合、Unity は自動的に geometry
を要件リストに追加します。#pragma hull
または #pragma domain
によって) テッセレーションのステージを定義する場合、Unity は自動的に tessellation
を要件リストに追加します。要件のリスト (または同等のターゲット値) にこれらの値がまだ含まれていない場合、Unity はシェーダーのコンパイル時に、これらの要件を追加したことを示す警告メッセージを表示します。この警告メッセージが表示されないようにするには、明示的に要件を追加するか、コードで適切なターゲット値を使用してください。
必須の機能を指定するには、#pragma require
ディレクティブの後に、スペースで区切られた値のリストを使用します。例えば、以下のようになります。
# pragma require integers mrt8
#pragma require
ディレクティブの後に、コロンとスペースで区切られた シェーダーキーワードのリスト を表記して使用することもできます。これは、指定されたキーワードのいずれかが有効になっているときに使用されるバリアントにのみ要件が適用されることを意味します。
例:
# pragma require integers mrt8 : EXAMPLE_KEYWORD OTHER_EXAMPLE_KEYWORD
複数の #pragma require
行を使用することができます。この例では、シェーダーはすべての場合に 整数
を要求し、EXAMPLE_KEYWORD が有効な場合には mrt8
を要求します。
# pragma require integers
# pragma require integers mrt8 : EXAMPLE_KEYWORD
シェーダーモデルを指定するには、#pragma target
ディレクティブを使用します。例えば、以下のようになります。
# pragma target 4.0
#pragma target
ディレクティブの後に、スペースで区切られた シェーダーキーワードのリスト を表記して使用することもできます。これは、指定されたキーワードのいずれかが有効になっているときに使用されるバリアントにのみ要件が適用されることを意味します。
例:
# pragma target 4.0 EXAMPLE_KEYWORD OTHER_EXAMPLE_KEYWORD
ノート: #pragma require
と #pragma target
のキーワードを指定する構文は若干異なります。#pragma require
のキーワードを指定する場合は、コロンを使用します。#pragma target
のキーワードを指定する場合は、コロンを使用しません。
以下は、Unity が使用するシェーダーモデルのリストと、それぞれが対応する #pragma require
の値の組み合わせです。
ノート: Unity のシェーダーモデルは、DirectX のシェーダーモデルや OpenGL のバージョン要件と似ていますが、完全に対応しているわけではありません。説明をよく読んで、違いを確実に理解してください。
値 | 説明 | サポート | 相当する #pragma require 値 |
---|---|---|---|
2.0 |
DirectX シェーダーモデル 2.0 に相当。 制限された計算とテクスチャの指示。Interpolator 8 個、頂点テクスチャサンプリング無し、フラグメントシェーダーの派生無し、明示的 LOD テクスチャサンプリング無し。 |
Unity がサポートするすべてのプラットフォームで動作します。 | 該当なし |
2.5 |
3.0 とほぼ同じですが、Interpolator が 8 個しかなく、明示的な LOD テクスチャサンプリングもありません。 | DirectX 11 feature level 9+ OpenGL 3.2+ Vulkan Metal |
derivatives |
3.0 |
DirectX シェーダーモデル 3.0 に相当。 |
DirectX 11 feature level 10 + OpenGL 3.2+ OpenGL ES 3.0+ Vulkan Metal |
2.5 のすべてに加えて、interpolators10 samplelod fragcoord
|
3.5 |
OpenGL ES 3.0 に相当。 |
DirectX 11 機能レベル 10 以降 OpenGL 3.2 以降 OpenGL ES 3 以降 Vulkan Metal |
3.0 のすべての機能に加えて、interpolators15 mrt4 integers 2darray instancing
|
4.0 |
DirectX shader model 4.0 に相当します。ただし、8 つの MRT をサポートする必要はありません。 | DirectX 11 機能レベル 10 以降 OpenGL ES 3.1+AEP Vulkan Metal (ジオメトリステージが定義されていない場合) |
3.5 のすべてに加えてgeometry
|
4.5 |
OpenGL ES 3.1 に相当。 | DirectX 11 機能レベル 11 以降 OpenGL 4.3 以降 OpenGL ES 3.1 Vulkan Metal |
3.5 のすべてに加えて、compute randomwrite msaatex
|
4.6 |
OpenGL 4.1 に相当。 Mac でサポートされている OpenGL の最高レベルです。 |
DirectX 11 機能レベル 11 以降 OpenGL 4.1 以降 OpenGL ES 3.1+AEP Vulkan Metal (ジオメトリステージが定義されておらず、且つ、ハルまたはドメインステージが定義されていない場合)。 |
4.0 のすべてに加えて、cubearray tesshw tessellation msaatex
|
5.0 |
DirectX shader model 5.0 に相当。ただし、32 の Interpolator かキューブマップ配列をサポートする必要はありません。 | DirectX 11 機能レベル 11 以降 OpenGL 4.3 以降 OpenGL ES 3.1+AEP Vulkan Metal (ジオメトリステージが定義されておらず、且つ、ハルまたはドメインステージが定義されていない場合)。 |
4.0 のすべてに加えて、compute randomwrite msaatex tesshw tessellation
|
コンソールプラットフォームでのシェーダーモデルのサポートについては、プラットフォーム別のドキュメントを参照してください。
ノート:
mrt8
が、シェーダーモデル 5.0 には interpolators32
と cubearray
が含まれています。Unity には、互換性を高めるために、これらの機能は含まれていません。これらの機能を必須にするには、明示的に #pragma require
ディレクティブを使用してください。geometry
を必要とするターゲットを使用しているが、シェーダーがジオメトリステージを定義していない場合、Unity はコンパイル時に geometry
を要件リストから削除します。tessellation
を必要とするターゲットを使用しているが、シェーダーがハルまたはドメインステージを定義していない場合、Unity はコンパイル時に tessellation
を要件リストから削除します。#pragma require
ディレクティブに有効なすべての値配下の通りです。
値 | 説明 |
---|---|
interpolators10 |
最低 10 個の頂点からフラグメントへの補間 (varying) が可能です。 |
interpolators15 |
最低 15 個の頂点からフラグメントへの補間 (“variing”) が利用可能です。 ノート: 内部的には、これは自動的に integers を要件リストに追加します。 |
interpolators32 |
最低 32 個の頂点からフラグメントへの補間 (“varying”) が可能です。 |
integers |
整数は、ビット/シフト演算を含めてサポートされているデータ型です。 ** 注意:** 内部的には、これは自動的に interpolators15 を要件リストに追加します。 |
mrt4 |
最低でも 4 つのレンダーターゲットに対応します。 |
mrt8 |
最低でも 8 つのレンダーターゲットに対応します。 |
derivatives |
ピクセルシェーダーの派生命令 (ddx/ddy) に対応します。 |
samplelod |
明示的なテクスチャ LOD サンプリング (tex2Dlod / SampleLevel) がサポートされています。 |
fragcoord |
ピクセルシェーダーのピクセル位置 (画面の XY、クリップスペースの ZW 深度) の入力がサポートされます。 |
2darray |
2D テクスチャ配列は、サポートされているデータタイプです。 |
cubearray |
キューブマップ配列は、サポートされているデータタイプです。 |
instancing |
SV_InstanceID の入力システムの値をサポートします。 |
geometry |
ジオメトリシェーダーのステージをサポートします。 |
compute |
コンピュートシェーダー、構造体バッファ、アトミックオペレーションをサポートします。 |
randomwrite または uav
|
“Random write” (UAV) テクスチャをサポートします。 |
tesshw |
ハードウェアテッセレーションはサポートされていますが、必ずしもテッセレーション (ハル/ドメイン) シェーダーステージをサポートしているわけではありません。例えば、Metal はテッセレーションをサポートしていますが、ハルやドメインのステージはサポートしていません。 |
tessellation |
テッセレーション (ハル/ドメイン) シェーダーのステージをサポートします。 |
msaatex |
マルチサンプリングされたテクスチャにアクセスする機能 (HLSL の Texture2DMS) をサポートします。 |
sparsetex |
常駐情報を持つスパーステクスチャ (DirectX 用語の “Tier2” サポート、CheckAccessFullyMapped HLSL 関数)。 |
framebufferfetch または fbfetch
|
フレームバッファフェッチ (ピクセルシェーダーで入力ピクセルカラーを読み取る機能) をサポートします。 |
setrtarrayindexfromanyshader |
ジオメトリシェーダーステージだけでなく、どのシェーダーステージからでもレンダーターゲット配列のインデックスを設定することができます。 |
inlineraytracing |
Inline ray tracing is supported, so you can generate ray queries in the rasterization and compute stages of a shader. Refer to SystemInfo.supportsInlineRayTracing for more information. |
You can use a shader keyword to target the following GPU features:
Use the following syntax:
#pragma multi_compile _ <keyword>
You don’t need to add a pragma require
directive.
Unity then does the following:
You can use an #if
statement to make parts of your shader code conditional on whether the GPU supports the feature.
multi-compile keyword | GPU feature | Keyword for conditional shader code |
---|---|---|
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_NATIVE_16BIT |
Supports 16-bit data types. If you use this keyword, the layout of shader buffers might change, because data types such as half and min16float convert to 16-bit. |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_NATIVE_16BIT |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_ANY |
Supports wave operations of any size. Use this keyword only if you use wave operations where the size of the waves doesn’t matter. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_8 |
Supports wave operations with a wave size of 8. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_16 |
Supports wave operations with a wave size of 16. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_32 |
Supports wave operations with a wave size of 32. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_64 |
Supports wave operations with a wave size of 64. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
UNITY_DEVICE_SUPPORTS_WAVE_128 |
Supports wave operations with a wave size of 128. | UNITY_HW_SUPPORTS_WAVE |
If you use a keyword that targets a specific wave size, Unity sets a UNITY_HW_WAVE_SIZE
define to the same wave size so you can use it in shader code.
Refer to Declaring and using shader keywords in HLSL for more information.